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中小企業の経営者の方の遺言書

東京都世田谷区の司法書士事務所クラフトライフと申します。
弊所は、遺言・相続に専門特化した司法書士事務所です。

さて、今回は、中小企業の経営者の方の遺言についてです。

会社経営者の方が遺言につきましては、事業をどうするかについて検討する必要があります。

即ち、ご自身の亡き後も、事業を継続させるのか解散するのか、事業を継続させるのならば、後継者をどうするのかです。

今回は、会社形態が株式会社の場合で、後継者を子の一人とした遺言についてご紹介したいと思います。

遺言で株式を相続させる

株式会社の実権は株主にあるため、事業後継者に株式を承継させる必要がございます。

中小企業の場合は、ご家族で株式を持ち合っているか、社長が全株式を保有しているケースが一般的でしょう。

会社運営をスムーズにさせるためには、事業後継者に、過半数の株式(3分の2以上の多数が望ましい)を保有させる事が重要となります。

従いまして、事業承継者が過半数の株式を保有する事となるように、遺言で株式を承継させるのです。

遺留分の問題

株式を承継させる場合、他の財産を他の相続人に相続させたとしても、その価額によっては遺留分を侵害する可能性が生じます。

遺留分を侵害した遺言も無効ではありませんが、遺留分の減殺請求をされれば、株式が分散し、遺言者の意思が実現しない恐れが生じます。

対策として、他の相続人に、事前に遺留分放棄をさせる方法もありますが、現実的ではないでしょう。

中小企業経営承継円滑化法

このような場合に利用出来るのが、平成20年10月1日より施工された中小企業経営承継円滑化法です。

同法においては、遺留分に関する民法の規定に対する特例が定められています。

具体的には、例えば、生前贈与株式を遺留分の対象から除外する事で株式の分散を防ぎ、また、生前贈与株式の評価額を固定する事で、遺留分減殺請求の際に、生前贈与後の株式価値上昇分を対象から外すことが可能です。

特例の要件

本特例を受けるためには、遺留分権利者全員との合意及び、経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可が必要となります。

中小企業経営承継円滑化法による本特例は、有用ですが、その手続きが複雑ですので、司法書士等の専門家にご相談されると良いでしょう。

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