遺言信託とは。メリットと費用の比較
遺言信託とは
遺言信託は、二つの意味で使われています。
一つは、遺言によって信託を設定する、法律的な意味。
もう一つは、大手信託銀行等のサービス名称で、①公正証書遺言書の作成支援・②遺言書の保管・③遺言の執行 の三点をまとめて提供するものです。
司法書士等専門家による遺言信託
上記の通り、遺言信託とは、遺言書作成、遺言書保管、遺言執行の三点セットのサービスに対する、大手銀行等による呼称に過ぎず、弊所はもちろん、他の司法書士や弁護士等の専門家の一部も、遺言信託という呼称をしておらずとも、同様のサービスを提供しております。(以下、弊所含め専門家による上記三点セットのサービスも、遺言信託と表記します)
こちらのページでは、大手銀行等と専門家の遺言信託について、それぞれの費用やメリット・デメリット等をご案内致します。
遺言信託の費用
まず、費用を比較してみます。大手銀行等のうち3社の費用と、専門家費用の参考例として、弊所の費用を比較します。
※同じ司法書士でも、弊所よりも安い・高いと、料金の定めは事務所により異なります。また、弁護士の場合には一般的に司法書士よりも高額となります。弊所の費用はご参考程度にお考え下さい。
ご留意事項
- ※金融機関の費用算出は、2019年4月11日時点の、各HP上の算定表から試算しています。
- ※金融機関の執行手数料は、金融資産が自社か他社かで算定が異なりますが、全て他社として試算しています。
- ※不動産があるものとして、登記が必要となるため、司法書士への外注手数料を一律20万円として、金融機関の執行手数料には、これを加算しています。
- ※金融機関、弊所ともに、相続税申告の税理士費用は別途掛かります。
- ※総額費用算出にあたり、金融機関の遺言書保管費用は加味しておりません。
- ※金融機関の費用算出は、弊所が独自に行ったものであり、実際の金額と異なる可能性がございます。
財産額1億6500万円の例
遺言書作成支援 | 遺言書保管 | 遺言執行+登記手数料(司法書士費用) | |
A銀行 | Aプラン:324,000円 Bプラン:1,080,000円 | 年間6,480円 | Aプラン:2,538,000円+200,000円 Bプラン:1,458,000円+200,000円 |
B銀行 | Aプラン:216,000円 Bプラン:1,080,000円 | 年間6,480円 | Aプラン:2,592,000円+200,000円 Bプラン:1,512,000円+200,000円 |
C銀行 | Aプラン:324,000円 Bプラン:1,080,000円 | 年間5,400円 | 2,385,000円+200,000円 |
司法書士事務所クラフトライフ | 200,000円 | 無 | 1,487,500円(登記手数料含む) |
遺言信託費用総額比較
費用総額 | |
A銀行 | Aプラン:3,062,000円 Bプラン:2,738,000円 |
B銀行 | Aプラン:3,008,000円 Bプラン:2,792,000円 |
C銀行 | Aプラン:2,909,000円 Bプラン:3,665,000円 |
司法書士事務所クラフトライフ | 1,687,500円 |
費用の比較をしてみると、大手銀行等による遺言信託費用が、極めて高額である事が分かります。
遺言信託のサービス内容に違いはあるか
これだけ費用が違うと、気になるのがサービスの違いですが、これにつきましては、金融機関同士を含め、ほぼ差異はございません。
弊所を基準に専門家のサービスを考えた場合にはなりますが、費用に反して、サービスの内容はむしろ司法書士等専門家の方が充実していると考えられます。これは、専門家が個々の案件を直接個別検討するため、定型業務にならないからです。
信託銀行等と専門家による遺言信託のメリットとデメリット
費用が相対的に高く、サービスの内容に差異がなくても、司法書士等専門家ではなく、信託銀行等に依頼するメリットはございます。
これは端的に、安全性です。
専門家の場合、例え規模の大きな事務所であっても、属人的な事業である事から、代表者が何らかの理由で業務を継続する事が出来なくなった場合には、遺言信託で最も重要な遺言執行業務を行えなくなる可能性がございます。この点、大手信託銀行等であれば、心配は不要でしょう。
逆に、大手信託銀行等による遺言信託で、費用以外で以下のようなデメリットがございます。
- 信頼していた担当者がいなくなる
- 遺留分を侵害する内容に対応してくれない
- しつこく融資や金融商品の営業が来る
遺言信託の選び方と注意点
遺言信託をどこに依頼するか、検討するときは、まず、金融機関か専門家がを選びましょう。金融機関を選択される場合は、金融機関同士での商材の差異はほぼないに等しいので、ご自身のメインバンクとされている所に依頼されると、費用面でも良いでしょう。
専門家を選択される場合には次の事に注意が必要です。なお、④が用意されている専門家であれば、先に述べた専門家による遺言信託のデメリットはなくなります。
- ①相続対策に専門性があるか
- ②費用はどの程度か
- ③代表の年齢は幾つか
- ④代表が職務を継続できなくなった場合の措置が用意されているか
遺言信託は、クラフトライフへご相談を
弊所では、上記四点を備え、また、既に信託銀行等で遺言信託をされている方向けに、遺言信託を弊所へ切り替えるサービスもご提供しております。
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