認知症とは?自分はならない?
認知症について考えてみませんか?
老老介護、有料老人ホーム等介護施設職員による不祥事、家族介護に端を発する悲しい事件等々。高齢化社会におけるネガティブなニュースに事欠かない昨今ですが、皆様は、ご自身の介護、中でも認知症について何らかの備えをされていますでしょうか。認知症といっても症状は様々で、日常生活にさほど影響のない段階から、ご自宅の場所も分からない状態、近しい人への強い被害妄想、攻撃的行動等多岐に渡ります。
認知症になるか。どんな症状が出るか。それは分からない。
どのような症状が生じるのかは、なってみないと分かりませんし、そもそもご自身やご両親が認知症になるのかも分かりません。ただ、①認知症というものが、とても身近なもので、他人事ではない事、②症状によっては、家族で面倒を看ていく事は極めて過酷である事の二点は、知っておく必要がございます。「自分は認知症にはならない」、「家族がいるから大丈夫」等といった考え方は、ご自身にとっても、ご家族にとっても、とても危ういものです。抵抗のある方も多くいらっしゃる事柄ではございますが、認知症に伴う問題を知り、備えについて考えておく事が、「家族を護り、活き活き生きる」ためには大切です。
そもそも認知症とは
そもそも、認知症とはどのようなものなのでしょうか。認知症とは、要因は様々ですが、脳の働きの低下により、日常生活に支障をきたす病状を総称して、認知症としています。
もの忘れとは違う
⽼化による「もの忘れ」と認知症には違いがあります。⼈の名前が思い出せなくなる等、歳を重ねるにつれて、⽼化による「もの忘れ」は起こります。しかし、認知症は⽼化による「もの忘れ」とは異なります。⽼化 による「もの忘れ」は物事の⼀部を忘れていますが、ヒントがあれば思い出せま す。それに対して認知症は、物事の全体がすっぽり抜け、ヒントがあっても思い 出すことができません。
老化によるもの忘れと認知症の違い
老化によるもの忘れ | 認知症 | |
原因 | 老化による自然な変化 | 脳の神経細胞の病的な変化 |
もの忘れ | 体験したことの一部を忘れる (ヒントがあれば思い出せる) | 体験した事を丸ごと忘れる (ヒントがあっても思い出せない) |
判断能力 | 低下しない | 低下する |
自覚 | 忘れたことを自覚している | 忘れたことの自覚がない |
日常生活 | 支障はない | 支障をきたす |
進行 | あまり進行しない | 少しずつ進行する |
認知症になるとどんな症状が出る?
認知症の症状は、記憶障害など認知症の人に必ずみられる「中核症状」と、そこに環境要因や個人の性格などが加わる「周辺症状」があります。
自分は認知症にならない??
65歳以上の⾼齢者で認知症になる⼈は、2030年には830万⼈、2060年には1,154万⼈に 年々増加すると⾔われています。
軽度認知障害(MCI)は認知症予備軍
健康な方と認知症の中間には、軽度認知障害( MCI)という「認知症予備軍」 といえる状態があることがわかってきました。 軽度認知障害( MCI)は認知機能に軽度の障害がある状態で、病気ではありません。⼀⾔でいえば「忘れっぽいけれど、日常生活での判断は比較的しっかりしている人」です。平成24年の6 5歳以上の認知症⾼齢者は462万⼈、 軽度認知障害( MCI) の人は約400万人いると推定されています。
歳を重ねるほど、認知症有病率は大幅に増加
この図のように、⾼齢者になると認知症の頻度はぐんぐん上昇します。65 歳から74歳までの有症率が10%未満であるのに対して、80歳からは⼀気に20%を超えています。⽇本では、65歳以上⾼齢者の約15%に認知症があると報告されています。 既に全国で約462万⼈(2012年)の⽅が認知症と推計されます。
認知症有病率がそのまま、認知症になる確率とまでは言えないかもしれませんが、以上の統計から、認知症は、他人事ではないとても身近な症状と言えます。
まとめ
①認知症の症状は様々であり、どんな症状が出るかはなってみないと分からない!
②認知症はとても身近な症状。長く生きれば、症状の重さに差はあれど、認知症になるものと考える!
お気軽にご相談下さい
関連記事